明太子はコレステロール含有量が多い?
1日のコレステロール基準値は?
明太子に含まれるコレステロールは、明太子100gあたり280mg。
一般的に、1度に食べる明太子は20gくらいなので、だいたい1食あたり56mgのコレステロールを摂取することになりますね。
また、食事から取るべき1日のコレステロール適正量は「500~600mg」。明太子を食べすぎて、この基準値を超えてしまうのは問題です。
しかし、あまり知られてませんが、コレステロールは取りすぎても少なすぎてもいけません。
特にコレステロールの不足は、赤血球や血管の細胞膜などに異常をきたす可能性があるのです。
明太子の不飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを下げる?
コレステロールは、善玉コレステロール、悪玉コレステロールの2種類。一般的に「悪玉コレステロールが多い」「善玉コレステロールが少ない」と病気になりやすいと思ってください。
ただ、明太子には
- DHA(ドコサヘキサエン酸)
- EPA(イコサペンタエン酸)
という、2つの不飽和脂肪酸が含まれているのです!!
DHAもEPAも、悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす働きがあります。なので、明太子には「病気の予防効果」もあるわけです。コレステロールが高いといわれる明太子ですが、食べるメリットは十分にあります。
まとめると、肉類に偏ってしまう食生活ではなく、(明太子も含めて)バランスの取れた食事をすることが大切となりますね!!
不飽和脂肪酸は「生理痛」を和らげる効果もあります。詳しくは下の記事をどうぞ↓
参考:明太子で美容ダイエット?辛子明太子に隠された女性必見の美肌効果!!【レシピ付き】
明太子の食べすぎが原因となるコレステロール由来の病気は?
コレステロール値の異常は、以下のような病気のリスクを高めます。とくに悪玉コレステロールが多い人や、善玉コレステロールが少ない人は要注意です。
脂質異常症(高脂血症)
脂質異常症とは、血液中の「脂質」が過剰だったり不足していたりする状態のこと。2007年までは、脂質異常症ではなく「高脂血症」と呼ばれていました。
医学的には、つぎの4つに分類されます。
- 高コレステロール血症
- 高LDLコレステロール血症
- 低HDLコレステロール血症
- 高トリグリセリド血症
【高コレステロール血症】
「総コレステロール値」が高い場合の症状。血液中の総コレステロール値が220 mg/dL以上で該当する。悪玉コレステロールに注目されて以降、脂質異常症のなかでの注目度は下がっているようです。
【高LDLコレステロール血症】
「悪玉コレステロール値」が高い場合の症状。血液中の悪玉コレステロール値が140 mg/dL以上で該当する。「心血管疾患」につながるリスクも高く、もっとも危険で、注目されている脂質異常症です。
【低HDLコレステロール血症】
「善玉コレステロール値」が低い場合の症状。血液中の善玉コレステロール値が40 mg/dL未満で該当する。心血管疾患の重要なリスク要因でもあり、とくに女性が気をつけるべき脂質異常症とされています。
【高トリグリセリド血症】
「中性脂肪」が多い場合の症状。血液中の中性脂肪が150mg/dL 以上で該当する。トリグリセリドとは、「中性脂肪」のことですね。日本人に多い症状で、とくに内臓脂肪型の肥満の人がなりやすいようです。
脂質異常症は、
- 禁煙
- 食生活の改善
- 運動不足、睡眠不足の改善
などで改善や予防ができると言われています。明太子を食べ過ぎてコレステロール値が上がり過ぎないように気をつけていきたいですね。
狭心症(胸の痛み)
狭心症とは、胸を締め付けられるような痛みが生じる症状のこと。発作的な症状なので、15分ほどで痛みは引きます。動悸や頭痛、不整脈、呼吸困難、嘔吐といった症状を伴うこともあります。
狭心症は、心臓の冠動脈にできた「コレステロール」等の固まりにより、血液の通り道が狭くなって発症するのが一般的。
リスク要因としては、
- コレステロールの取りすぎ
- 高血圧
- 高脂血症
- 肥満
- 高尿酸血症
- ストレス
が考えられます。
どの要因も、栄養のバランスの取れた食事で改善・予防できるものが多いですね。コレステロールの取りすぎで、狭心症にならないようにしたいですね。
心筋梗塞
心筋梗塞は、とくに肥満型の男性に多い病気です。そして、心筋梗塞の原因はコレステロールだけではありません。
- 喫煙
- 高コレステロール血症(特に高LDLコレステロール血症)
- 糖尿病
- 高血圧
- 遺伝
- 加齢(男性45歳以上、女性65歳以上)
- ストレス
- 肥満
- 痛風(高尿酸血症)
気をつけるべきは、痛風と高血圧。
なぜなら、明太子に含まれるプリン体は「痛風のリスク」で、
参考:明太子を食べると痛風になる?原因となるプリン体や予防方法を解説【贅沢病の症状】
明太子に含まれる塩分は「高血圧のリスク」だからです。
参考:明太子は塩分多すぎ?病気やむくみの原因と予防方法を解説【減塩明太子とカリウム】
つまり、心筋梗塞はコレステロールだけでなく、塩分やプリン体も原因となります。
明太子の食べ過ぎだけが理由にはなりませんが、明太子にはコレステロール、塩分、プリン体が含まれているので要注意です。
本当に、明太子は栄養バランスを考えながら、食べていくのが良さそうですね。
高血圧からの脳卒中
脳卒中とは、急激に発症した脳血管障害のこと。脳血管障害には「脳梗塞」と「脳出血」がありますが、この2つも脳卒中の仲間です。
じつは脳卒中の多くは、「動脈硬化」が引き金となって発症します。
動脈硬化の原因となるのは、
- 高血圧症
- 脂質異常症(高脂血症)
- 糖尿病
- 喫煙など
つまりコレステロールの取りすぎは、高血圧や脂質異常症、糖尿病だけでなく、脳梗塞や脳出血などのリスクも高めるということですね。
とくに脂質異常症や糖尿病は、単独でも動脈硬化(そして脳卒中)を招きやすい病気です。明太子好きのぼくも、十分に気をつけていこうと思います。
糖尿病
糖尿病とは、体内の「ブドウ糖」が、きちんとエネルギーとして利用されずに、血液中に溢れてしまう病気。
このブドウ糖がエネルギーに変換されない原因は、「インスリン」というホルモンの不足です。インスリンが不足すると、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールも増やします。
つまり、インスリンが不足することによって
- 糖尿病
- 脂質異常症
という2つの病気を発症する危険性があるのです。
単純に、コレステロールだけを制限しているだけでは、足りないということですね。
インスリンの不足の原因は、おもに食べ過ぎや運動不足。これは、過剰な栄養にたいして、インスリンを唯一分泌してくれる「すい蔵」が悪化してしまうためです。
栄養のバランスを欠いてしまうと、コレステロール由来の脂質異常症のリスクが高くなります。明太子の食べ過ぎには要注意ですね。
明太子以外のコレステロール値が高い食品一覧
1日の食事で取るコレステロール適正量の基準値は「500~600mg」です。
ただ、コレステロールは体内でも生成されるので、健康な人であれば、食事からの摂取量にかかわらず、コレステロール値は一定量に保たれます。
そこで問題となるのは、肥満やバランスの悪い食生活が引き金となるコレステロール値の異常。なので、以下の「食品ごとのコレステロール値」も参考にしつつバランスの取れた食生活を心がけてくださいね。
魚類・魚介類
魚類・魚介類はコレステロールが高め。明太子は魚介類に該当します。
ただ、多くの魚類・魚介類は「不飽和脂肪酸(DHAやEPAなど)」も同時に摂取できます。という意味では、肉類よりも積極的に摂取すべきと言えますね。
【コレステロール500mg以上】
- するめ 980mg
- たたみいわし 710mg
- 桜えび・素干し 700mg
- あんこうのきも 560mg
- 煮干し 550mg
- えび(干しえび) 510mg
- すじこ 510mg
- キャビア 500mg
【コレステロール300mg以上】
- いくら 480mg
- わかさぎの佃煮 450mg
- うなぎ(きも) 430mg
- たらこ(焼) 410mg
- しらす干/半乾燥 390mg
- いか(焼) 380mg
- しらこ 360mg
- たらこ(生) 350mg
【コレステロール300mg前後】
- ししゃも 290mg
- うに 290mg
- 粒うに 280mg
- めんたいこ 280mg
※すべて食品100g当たりのコレステロール含有量(mg)です。
肉類・卵
肉類・卵も、コレステロール含有量は高いです。
とくに肉類の多くは「飽和脂肪酸」が含まれているので、要注意。飽和脂肪酸は、取りすぎるとコレステロール値と中性脂肪を増やす働きがあります。
【卵類】
- たまご(卵黄) 1400mg
- ピータン 680mg
- うずら卵(水煮缶) 490mg
- うずら卵(生) 470mg
- たまご(生) 420mg
- たまご(ゆで) 420mg
- ポーチドエッグ 420mg
- だし巻きたまご 370mg
- 厚焼きたまご 350mg
- たまご豆腐 220mg
【肉類】
- フォアグラ 650mg
- 鶏肉(レバー) 370mg
- 豚肉(レバー) 250mg
- 豚肉(胃) 250mg
- 牛肉(レバー) 240mg
- 牛肉(ミノ) 240mg
- 豚肉(小腸) 240mg
- 牛肉(小腸) 210mg
- 豚肉(大腸) 210mg
- 鶏肉(砂ぎも) 200mg
※すべて食品100g当たりのコレステロール含有量(mg)です。
穀類
穀類のコレステロール含有量は、決して多くありません。ただ、つぎの食品は穀類のなかでもコレステロールが多めなので、注意が必要です。
- クリームパン 130mg
- ホットケーキ 84mg
- カップラーメン 34mg
※すべて食品100g当たりのコレステロール含有量(mg)です。
乳製品
乳製品も1食あたりで考えると、コレステロールがそこまで多いわけではありません。が、つぎの乳製品は、ややコレステロールが高めなので注意が必要です。
- バター(無塩) 220mg
- バター 210mg
- 生クリーム(乳脂肪) 120mg
- ホイップクリーム 100mg
- クリームチーズ 99mg
- パルメザンチーズ 96mg
- カマンベールチーズ 87mg
- コーヒーミルク(粉) 86mg
- チーズ(プロセス) 78mg
- アイスクリーム(普通脂肪) 53mg
- コーヒーミルク(液) 50mg
コーヒーミルクは、粉なものより液体ものがコレステロールが低く、おすすめですね。
※すべて食品100g当たりのコレステロール含有量(mg)です。
明太子と一緒に食べて悪玉コレステロール値が下がる食品は?
明太子はコレステロール含有量が多め。
しかし、明太子に含まれる「不飽和脂肪酸」により悪玉コレステロール値と善玉コレステロール値の改善効果があることもわかりました。
では、明太子の他に、コレステロール値を改善してくれる食品をご紹介しましょう。
DHAとEPAが含まれる青魚
まず青魚が、不飽和脂肪酸が多い食品です。
明太子と同じく、「DHA(ドコサヘキサエン酸)」と「EPA(イコサペンタエン酸)」が豊富なので、積極的に食べましょう。
具体的な青魚の名前をあげると、サンマやイワシ,マグロ,ブリ、アジなど。青魚は「背中が青い」のでわかりやすい!!
DHAとEPAの効果は、悪玉コレステロール値を下げるだけではありません。善玉コレステロール値を高めたり、中性脂肪値を下げる効果もあります。
当サイトでは、明太子と一緒に、これらの青魚を食べることをおすすめしています。ただし、焼き魚は「塩分」を取りすぎる傾向があるので要注意です。
人によっては、食事だけではカバーしきれない栄養素なので、栄養のバランスに自信がない方は、日々の生活のなかで、「サプリメント」を取り入れてみるのも良いでしょう。
リコピンが含まれるトマト
また、トマトに含まれるリコピンには、善玉コレステロール値を改善する効果があります。
悪玉コレステロール値に異常はないけれど、善玉コレステロールの数は少ない。という人は、トマトをたくさん食べるのがおすすめです。
ただし、善玉コレステロールを増やすには、トマト1.8個分のリコピンを「56日連続で」食べ続けないと、コレステロール値は改善しないと言われます。
野菜の値段が高騰する時期とかもあるのに、こんなにトマトを食べ続けることは無理…。
このため一番リコピンを取り入れやすい予防方法は、手軽に効果が期待できるサプリメントです。もちろん、サプリメントに頼りすぎず、健康的な食事との併用を心がけましょう。
最近では、安価なサプリメントも増えてきているので、ぜひ参考にしてみてください。
明太子が好きならコレステロール値に要注意!!
明太子好きにとってコレステロールは悩みの種。
しかし、正しくコレステロール向き合うことで、健康的に明太子、いえ食事自体をも楽しむことができます。
コレステロールの取りすぎを避け、善玉コレステロール増やし、悪玉コレステロールを排出していきましょう。

カミイチ ダイスケ

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