明太子の歴史。明太子はいつ生まれた?
「僕たちが今食べている明太子」が生まれたのは、1949年1月10日です。明太子が日本で初めて売り出された日といわれています。
日本の歴史の中では、たった70年に満たない短い期間にもかかわらず、今のめちゃくちゃ美味しい明太子にまで発展してきたのです。
しかし!!
じつは明太子の歴史はもっと古く、起源までさかのぼれば、1800年頃の朝鮮半島に至るということが判明しました。明太子を舐めてたら怒られるぞ!
ちなみに、明太子パスタが生まれたのは、1967年ごろ。
さて、今日の明太子の発展を祝うためにも「明太子の歴史」を振り返っていきましょう。
朝鮮半島で誕生した辛子明太子
明太子の起源は朝鮮半島?
朝鮮半島には、スケトウダラの卵巣を調味して食べるという習慣が古くからありました。これが明太子の起源と言われています。
だいたい1800年代には、唐辛子とスケトウダラの卵巣を一緒に塩漬けして食べるようになったと偉い人は書き記していますね。
「現代の明太子のルーツは今の韓国にある!」というのが定説のようです。
初期の明太子を販売した樋口伊都羽
1900年代にはいると、1人の日本人の男「樋口伊都羽」が辛子明太子を商品として販売をはじめます。だいたい日本が朝鮮半島を占領しようとする頃です。
樋口氏は、朝鮮の人が自家消費していた明太子を「そのまま」販売します。
この明太子は、「唐辛子と一緒に塩漬けしたスケトウダラの卵巣」というタイプの明太子らしく、明太子とタラコを合わせたような食品だとイメージするのが正解かもしれませんね。
しかし、戦争が終わるにつれ、樋口伊都羽の明太子は人気が落ち、明太子は次の時代に突入していきます。
まぶし型辛子明太子の時代
北海道産の紅葉子が普及?
日露戦争が終わる頃(1900年初頭)、下関と韓国釜山のあいだで貿易が始まってました。韓国から、スケトウダラの卵巣の辛子漬け「明卵漬」がたくさんやってきたのです。
それまでの下関では、北海道産の「紅葉子」も集まっていました。紅葉子というのは、スケトウダラを塩漬けしたもので、今でいうところの「たらこ」と同じです。
しかし太平洋戦争の影響により、北海道産の紅葉子自体の人気は廃れてしまいました。
散布型まぶし型辛子明太子とは?
北海道産の紅葉子に目をつけたのが、山根孝三という男。山根は、紅葉子を大量に仕入れて新たな明太子の開発に取り組みます。
で、その山根孝三の支援を受けたのが「高井英一郎」という男です。
高井氏は、妻の実家である北海道から仕入れた「紅葉子」に唐辛子を散布した辛子明太子を開発。彼は、この明太子を前田一男とともに販売をはじめ、登記簿上「日本初の辛子明太子専門店」を誕生させました。
高井栄一朗がつくったのは、北海道産の紅葉子に唐辛子をまぶしたタイプの明太子。
これが、いわゆる『散布型・まぶし型辛子明太子』と呼ばれている明太子です。
「改造明太子」と揶揄されることもありました。まぶし型辛子明太子は、唐辛子以外にも酒粕をまぶしたり、酒を染み込ませて、明太子としての品質や味の改良がおこなわれました。
漬け込み型辛子明太子の時代とは?
漬け込み型辛子明太子とは?
太平洋戦争が完全に終わると、老舗明太子メーカー「ふくや」創業者の川原俊夫氏が新たな明太子を開発します。
川原俊夫氏が開発したのは、『漬け込み型辛子明太子』とよばれる明太子。
この明太子はスケトウダラの卵巣を「辛味調味料で漬け込む方法」により製造されます。ただ漬け込むだけではなく「乳酸発酵」もおこなわれました。現代の明太子と同じですね!!
博多名物「辛子明太子」の誕生?
川原俊夫氏が「漬け込み型辛子明太子」を販売し始めたのは、1949年1月10日。この日は、「明太子の日」として認定されています。
でも、川原俊夫氏は商標登録も特許申請もせずに、地元博多の製造業者に「漬け込み型明太子のつくり方」を教えたのです。
すると当然、ほかの製造業者も「独自アレンジの明太子」を開発して売り出しますよね。
それぞれの業者が、創意工夫で色んな明太子を作り始めて、どんどん博多の市民に普及していきます。こうして、明太子が「博多名物」として定着していったわけです。
日本で最初の明太子メーカー「ふくや」
最初は辛すぎた辛子明太子
辛子明太子が初めて店頭に並んだ翌日、なんとクレームが寄せられたそうです。
「辛すぎるじゃねーか!!」と。
辛子文化のない博多の人にとって、韓国の明太子を再現した辛子明太子は辛すぎたのです。
この明太子を買った客は、仕方がないので、水で洗って唐辛子を落としてから、火を通してなんとか食べたようです。どんだけ辛かったんでしょうね。
こんな感じで最初は大変だったようですが、川原俊夫氏は明太子に改良を重ね、今の「辛くて(も)美味しい明太子」を発明したわけですね。明太子の製造秘話!!
株式会社かねふくの誕生!
1979年には「株式会社かねふく」が誕生し、自家製の辛子明太子を販売する老舗メーカーとして発展してきました。
2009年には「めんたいパーク」として、茨城県東茨城郡、愛知県常滑市、兵庫県神戸市にお店を設立。めんたいパークは試食コーナー、直売コーナー、工場見学、めんたいこギャラリー展などが楽しめるテーマパークとなってます。
2016年11月には、大阪府大阪市住之江区にもめんたいパークが誕生。ますます明太子が身近な存在になってきていますね。
『明太子ギフト券』という賞味期限を気にしなくてもいい画期的な商品も販売されてます。お歳暮やお中元などの贈り物の際にはもってこいの通販商品ですね。
辛子明太子の島本の誕生!
1976年には「株式会社島本食品」が誕生します。国産の素材を大切にし、誠実に明太子を販売しているメーカーとして、博多だけじゃなく日本全国から支持されています。
1998年には、島本食品のホームページ開設され、今では通販でネット取り寄せもできるようになりました。お中元やお歳暮の時期に流れる「贈って嬉しいかば田のめんたい、もらって嬉しいかば田のめんたい」というテレビCMでもおなじみですね。
「カタログ請求」もできるので、明太子の商品一覧や、価格を知りたい方はぜひカタログを請求してみてください。カタログ請求は、無料です。
株式会社かば田食品の誕生!
1979年には「株式会社かば田食品」が誕生します。キャッチフレーズは「味にてん、心にまる」。いただきます、ごちそうさま。という食事の始まりと終わりを、幸せいっぱいに結ぶ「てんとまる」。この理念は、会社のロゴにも使われていますね。
北九州市では高いシェアを誇る老舗明太子メーカーですが、現在では全国に50店舗近くの直売店があります。
通販でも人気があり、良い明太子が手に入るとの評判も高いです。株式会社かば田食品の明太子も「カタログ請求」ができます。気になった方は、まずはカタログを手に入れてみてはいかがですか?
明太子パスタはいつ生まれた?
東京都のパスタ専門店「壁の穴」
1967年、日本で初めて「たらこパスタ」が誕生。東京都渋谷区にあるスパゲッティ専門店「壁の穴」で考案されたレシピだそうです。
客の要望によって、生まれたこのレシピですが、当初は「キャビアスパゲッティ」だったらしいです。でもキャビアは高級品。そこでキャビアの代替食材としてたらこが使われ、たらこスパゲッティになったのです。
スパゲッティはイタリア食ですが、日本人に合わせた和風スパゲッティとして「たらこパスタ」は大人気に。海苔やバター、塩コショウにレモンといったトッピングをパスタに和えるのが基本の料理方法です。
また、たらこを明太子に変えた「明太子パスタ」も誕生。オリーブオイルやブロッコリーを和えた工夫レシピだけじゃなく、冷凍食品やインスタントカップ麺の明太子パスタも販売されてますね。
明太子の元祖は誰なの?4人の功労者
さて、明太子の元祖といえば誰なのか? 最後にまとめておきましょう。ただ、元祖の明太子製造者の候補は4人いて、どの説を支持するかはあなた次第です。
初めて朝鮮で辛子漬け明太子を売った樋口伊都羽
1人目は、日本統治時代の朝鮮半島で辛子漬け明太子を初めて販売した樋口伊都羽氏。
これは現地の人たちが作って食べていた辛子明太子が元になっているので、樋口氏が1から製造したわけではありません。
でも現在のこっている記録が正しければ、樋口伊都羽氏は明太子に日本人で初めて商業的に目をつけた日本人です。
その意味でいうなら、樋口伊都羽氏が「明太子の元祖」ということになりますね。
明太子業者をたくさん育てた山根孝三
山根孝三氏は、下の高井英一郎をはじめ、数多くのパイオニアの誕生に貢献しました。
山根氏は北海道産「紅葉子」を大量に仕入れ、それが後の明太子ブームのきっかけを作ったのです。
山根孝三氏が「明太子の元祖」と言えるかは微妙かもしれません。でも、山根氏がいなければ、高井英一郎や前田一男、そして川原俊夫も明太子と出会わなかったのかもしれませんね。
明太子初の商標登録をした高井英一郎
高井英一郎氏は日本で初めて「辛子明太子専門店」を商標登録した人物です。法律上の正式な
元祖といえば、高井氏になるのかもしれません。
ただこの時の明太子は、北海道産の紅葉子に唐辛子をまぶした「まぶし型明太子」というもの。現在流通してぼくらが食べている「漬け込み型明太子」とは異なります。
明太子という名称は同じですが中身は「別の食材」ということでいうと、高井英一郎氏が明太子の元祖とは言えないかもしれませんね。
現代の明太子をつくった川原俊夫
現代の明太子の元祖といえば、まぎれもなく「ふくや」の創業者川原俊夫氏です。
日本で最初の明太子メーカーを生み出したこと、現代の明太子の製造方法を生み出したこと、これらは川原俊夫氏の功績です。
現代人にとっての明太子の元祖は、川原俊夫氏と言えるのではないでしょうか。

カミイチ ダイスケ

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